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仕事を続けるということ

昨年の12月で、息子はいまの会社での勤続期間が丸3年を過ぎました。少し前に勤務時間を週に16時間までとしてもらってからは、ストレスもためることなく、彼のペースで勤務できるようになっています。

息子が働きだしたとき、普通の環境で、障害を持っていない人と同じ仕事ができるようになったことに、母親ながら驚きました。正直、彼がそのような環境で働けると思っていなかったので、学校のプログラムで研修生のような立場から、正社員になったとき、本当に驚きました。また、がんばっている息子を本当にすごいな、と思いました。

毎日の暮らしの中では、相変わらず心配なことも多いし、きちんとモニターしておかないと・・と不安になることも沢山あります。でも、仕事に関しては、本当にしっかりしているのですよ。

毎回勤務が始まる10分前には出勤。それは早い出勤の日も、遅い出勤の日も変わらず。いまの職場はシフトが週ごとに変わり、そのときによって朝の6時からの勤務もあれば、夜中の12時までのシフトもある。少し不満も漏らしますが、勤務しているときは、キビキビと動き、本当に一生懸命です。汚い仕事もかれのポジションの担当なので、トイレ掃除もしなくてはならないし、ゴミの収集も彼の仕事。アメリカの公衆便所の掃除など、恐ろしいですが・・、彼はそれを3年も続けています。

バッガーという彼の仕事の一つでは、レジの人が計算し終えた商品をバッグにつめる作業があります。同僚であるキャッシャーの中には、彼のような障害を持つ人を嫌い、自分のところには寄せ付けない人もいるそうなのです。彼に聞いてみたところ、同僚の中には実際にあまりよい対応をしてくれない人もいるんだそうです。でも、仕事だから仕方ないと割り切ってやっている、というようなことを言っていた息子の言葉に驚かされたこともありました。

自宅ではまだまだ子供ですが、社会では少しは大人になっている息子なんですね。近くにいると、そういうこともわからないことがあるようです。

障害があるということで普通よりも辛いことを経験することもあるだろう、気転をきかせて楽をすることもできないことが多いだろうし、迷惑をかけたり、逆にいいように使われていることもあるかもしれない、でも、そういうことを経験するのも、彼にとってはよいことだと、私は思うのです。障がいがあろうがなかろうが、嫌な思いをすることは誰にでもあるものです。本当の社会でもまれる経験が、彼を強くし、成長させてくれるんだと、信じています。また、私が元気で彼の様子をモニターでき、サポートできる間に、いろんなことを経験し、私の居なくなったとき、本当の自立が求められるときに備えてほしいと思っています。

言葉にはださないけれど、これまで何度となく、「もう、辞めてもいいんだよ」と言いかけてきました。みていて本当にかわいそうだと、そこまでやる必要があるんだろうか、と思ったことも何度もありました。

そんな環境においても、息子は本当によく頑張っている。社会で働くということに誇りをもち、障がいがあるということに甘えるのではなく、自分の最大限の努力を続けている。そんな息子を誇りに思います。

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by spnd_ca | 2019-01-12 04:30 | ヤングアダルト (高校から~)